第2回「床面の防水について」
第2回「床面の防水について」
床面に防水をする必要があるのか?と思うことがあります。
建物の床面に防水が必要なのは、どういう場合なのか考えてみました。
- 共通廊下や階段の裏側に雨漏れや染みが広がっている
- ベランダやルーフバルコニーから室内側や階下に漏水や雨染みが有る
- ビルや駅の地下街へ降りる階段裏や、その開口部周りの床面から地下天井面へ雨漏れや雨染みがある
共用廊下裏への雨滲み

ビル地下階段室での漏水

2階踊り場からの漏水

地下天井入り隅からの漏水

漏水事故
経年で、建物が少しずつ劣化した時、台風など降雨量が多く風の強い時に突然漏水事故が発生するのです。
漏水事故は①水 ②圧力 ③隙間 の3拍子揃った部分で起きます。
新築から年数が経つことで、建物の陽当たり面、風通し、挙動など立地環境も含め、少しずつ床面や外壁面の劣化が進行し不具合が現れます。
例えば、窓周りシーリング材のひび割れや老朽化による硬化・劣化などでシール材が粗になり、雨が風圧で押され外壁と窓枠の間の空いた部分から室内に雨漏れが発生したり、普通の雨なら問題は無かったけれど、大雨になるとクラックからじわじわ染み込み、居室内に滲みが広がったり、軒や階段裏、廊下の裏にポツポツと滴が落ちてくることになってしまい、急遽止水の補修工事を依頼することになります。
修繕計画
一般に、ビル・マンション等では、外壁や防水工事には費用が掛かるため、意匠性や防水予防を鑑み改修工事周期を予想し費用を算出します。
不具合が発生しないようにと予測修繕をすることが多いようです。
そこで、予め、長期修繕計画の中で施工時期を決め調査費用を計上、業者を選定し調査をして貰い、概算見積りを求めます。
それを元に施工業者を選抜選定し工事見積を依頼、その中から工事費用、工事業者を決定し施工を依頼します。
ウレタン防水された共用廊下

2階カラーコンクリート床

ウレタン防水された床

Pタイル張りされた床

修繕後の経過
現在、新築から20年以上経過した床面を見ると、戸建て住宅、マンションの階段や共用廊下が新築当初はモルタル仕上げであった面でも、修繕計画や改修時に、漏水事故や廊下天井面の雨染みの広がりで見苦しくなっていたりすると、その上階の床にウレタン防水やFRP防水が多く使用されておりました。
単一色仕上りでしたが、2回目、3回目と改修工事が進む中、最近では美装性や、防滑性を付与した長尺シートでの仕上も多くなり、意匠性に富んだベランダや共通廊下も多く見られます。
長尺シートに貼り替えられた床

意匠性を保持した防水
セブンSで床面や階段を施工して頂いても防水保証は有りません。
それでも、タイル張り仕上げされた共通廊下やベランダ、階段などでは「セブンS」での補修をする現場があります。 その場合、
① セブンSS-F(フロアー)工法 又は セブンS-F工法が有ります。
※セブンSS-F工法およびセブンS-F工法の詳細については弊社営業部までお問合せください。
② 側溝やドレン部分へはウレタン防水を施して頂きます。
③ 窓下の入隅へ、予めアクリルウレタンや変成シリコーンNBタイプで面取りして頂くことで防水性を向上させることが可能です。
④ 但し、ルーフバルコニーなど既に下地の防水が施されている床面での透明防水処置は、施工後に下地や防水層の界面に含まれた水分の蒸発が仕上がったセブンS裏面に常に介在するため、目地モルタル上の塗膜から白濁が始まり、タイル上の塗膜まで白濁することが考えられるため施工はお勧め出来ません。
以上、4点をご確認ください。
ベランダでのセブンS-F工法仕上げ
2階玄関前踊り場へのセブンS-F工法仕上げ

ベランダでのセブンS-F工法仕上げ

2階玄関前踊り場へのセブンS-F工法仕上げ

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